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医療法人 華風会 ザ・北浜タワー 耳鼻咽喉科皮膚科クリニック 顧問・医師 久保伸夫
ヒトは他の動物に較べ鼻の病気が大変多い動物ですが、マスクによってインフルエンザや花粉症、喘息など多くの呼吸器の病気の予防や治療ができます。イヌや猫の鼻は脳や眼の前方にありますが、人間の鼻は脳や眼の下にあります。これはヒトの脳が前方への発達したため、鼻は上から押しつぶされた結果です。さらに、ヒトの先祖は昼間生活と樹上生活に適応するために、広角視を犠牲にして両眼視を獲得しましたが、前方視のじゃまになる鼻は低くなり眼は前進しました。つまり、脳や眼の進化の犠牲になり鼻は退化したとも言えます。ヒトの鼻の機能のうち、嗅覚はイヌの100万分の1ですし、吸い込んで肺に向かう空気を加温加湿する働きやごみを取り除く働きも退化しています。さらに、ヒトは直立したことで、痰などの排泄も重力に逆らう方向で行う必要がありますし、手で鼻が触れることで、細菌やウイルスやカビなどの感染をおこしやすく、手で鼻をかむことにより、鼻の感染が中耳や副鼻腔など周囲に広がって行きます。口元に空間のある立体形状マスクはこれらのヒト特有の不利な条件を補う事ができます。

鼻や気管支など呼吸器の粘膜は線毛という毛が生えていて、さらにその表面は粘液で覆われています。この線毛は、むかでの足のように協調して動き、鼻に入ったごみや花粉やウイルスを粘液といっしょにのどに送って飲み込んだり、痰として吐き出します。肺や気管支からは口へ向かって重力に逆らう方向に線毛は運動し、異物や分泌液を痰として排泄します。線毛運動といわれるこのしくみは呼吸器を感染から守る最も重要な気道防衛機構です。この働きが低下すると、細菌やウイルスは粘膜内に進入して増殖し感染が成立します。加齢や喫煙、冬季の乾燥と低温は線毛運動を低下させます。この鼻から入った細菌やウイルスは鼻をかむことで鼻とつながった中耳や気管支に広がり、気道感染症を起こします。また、近年の抗生物質の多用の結果、多くの細菌に抗生物質がききにくくなり、治療を難しくしています。また2歳までに抗生物質を多く服用した小児は腸内の有用な細菌も殺してしまうため、アレルギー体質になりやすいとも言われています。風邪やインフルエンザ、そして花粉症などの気道炎症の予防に、マスクは、誰にでもできて安全かつ有効な予防法です。また睡眠中にマスクをすることで、風邪やインフルエンザの治療にも有効です。毎年、12月から2月にかけて世界的の猛威をふるうインフルエンザは、老人と子供たちにとっては致死的な深刻な疾患と言えます。昨年のこの時期の国内の死亡者数は他の季節より1万人多く、大半はインフルエンザによる高齢者の死亡と考えられています。インフルエンザが高齢者の命のろうそくを吹き消す疾患といわれる理由です。1918年から世界的に流行したスペイン風邪では世界で2000〜4000万人(一億人という報告もある)が死亡し、国内でも40万人が死亡しました。話題になっている鳥インフルエンザが人から人に感染するようになったりして、新しいタイプのインフルエンザが流行すれば、世界で数千万千人が死亡するといわれています。また、2月から4月にかけて北海道沖縄を除く国内で飛散するスギ・ヒノキ花粉による花粉症は、国民の20%が発症している国民病であり、最近では小児の患者が急増しており、千葉県下では学童の40%がすでにスギ花粉抗体陽性で、その半数が発症していると報告しています。患者数の多い関東東海地方では従来成人の疾患といわれていたスギ・ヒノキ花粉症も学校保健の対象疾患になりつつあります。

インフルエンザはインフルエンザウイルスが鼻から入り、のどや気管支や肺で炎症をおこす疾患で、のどの痛みが先行する他のウイルスや細菌によるいわゆるかぜとは異なり、発熱や関節痛などの全身の症状がのどや鼻の症状より先に起こります。風邪やインフルエンザの予防にはワクチン接種、手洗い、うがいが薦められ、治療には抗ウイルス薬や抗生物質、消炎鎮痛薬の投与が行われています。しかし、ワクチンはあらかじめ予想された特定のインフルエンザにしか有効でなく、タミフルは鳥インフルエンザを含む大半のインフルエンザに対しては有効ですが、他のかぜには無効ですし、異常行動のため、乳児には投与できず、10代では監視下でしか投与できません。さらに最近は耐性化したインフルエンザも報告されています。消炎鎮痛薬で熱をさげることは、炎症を遷延させる可能性もあり、小児では致死的なインフルエンザ脳症の誘引とも考えられ、投与できません。
手洗いは大変有効なインフルエンザの予防法です。インフルエンザの感染経路は、自分で自分の鼻を触ることで感染する接触感染が75%を占め、くしゃみの鼻水を吸い込む飛沫感染が15%、乾燥したウイルスを吸い込む飛沫核感染が10%です。マスクは接触感染と飛沫感染による自分への感染と感染した場合には周囲に感染を広げることも防げます。人間は5分間に数回以上、自分の鼻を触ります。とくに鼻症状のあるときは頻繁で、そのウイルスのついた手でドアノブをつかみます。そしてつぎにそのドアノブを触るひとの手に付着し、その手で鼻をさわるときに鼻にウイルスは進入します。マスクは自分の鼻がさわれないだけでも有効は予防効果がありますし、頻繁な手洗いも同様に有効なかぜ対策といえます。

それに対し、学校でのこどものうがいは口腔内の洗浄にすぎず、のどへの有効性には疑問があります。のどの奥までちゃんとうがいをするとおとなでもむせてしまいます。また、よく使われているヨード系のうがい薬は、通常使われている5%の濃度では皮膚消毒には問題ありませんが、のどの粘膜には刺激が強すぎむしろ有害です。1%以下で使うべきです。この濃度でも多くの菌には殺菌効果はあります(むしろ低濃度の方が効果が高いという報告もあります)。しかし、そもそも肝心の殺ウイルス効果は十分に証明されていないのです。京都大学の検討では、成人な場合うがいによりかぜの罹患率は減少したが、水うがいの方がヨード系うがい薬より有効であったと報告されています。うがいよりも、私は頻回にお茶や水を飲むことを勧めています。飲み込めば胃酸によって大半の菌やウイルスは活性を失います。とくに就寝中は唾液分泌が低下しているので、細菌やウイルスがのどに生着している可能性が高く、起床時にはお茶や水を飲みましょう。日中も鼻づまりのときや子供は口呼吸している場合も多く頻回な飲水が気道を防衛します。また、冬季に半ズボンをはくのは、無意味で有害です。おとなよりも弱い子供におとなができないことを強制するべきではありません。昔はみんな半ズボンで元気だったという父兄や教師の意見もありますが、昔は乳幼児死亡率が高く、風邪から肺炎をおこし、たくさんの小児や学童が死亡していました。強い子だけが生き残り大人になれる社会だったともいえます。風邪で死なせるわけにいかない今日の学校では、半ズボンは危険です。ノルウエーのように0歳児のときからすこしずつ極寒の屋外で昼寝をさせるのであれば別ですが、そんなリスクをとる覚悟のある保護者や医師や教師がいれば、尊敬に値しますが、もし肺炎で死亡すれば、現在のわが国の社会では司法、行政、マスコミから制裁をうけると思われます。後述の耐性菌の問題も感冒に抗生剤を投与せずもし肺炎になったときのリスクをとる勇気が父兄にも医師にもなかった結果です。残念ながら、子供はできるだけ愛護的に扱わなければ、感冒に罹患します。いずれにせよマスクは誰にでもでき、安全で確実な予防手段です。

前述のように、マスクでは、直径1万分の1ミリメーターのインフルエンザウイルスの吸入のよる飛沫核感染の防止はできませんが、

1)自分の鼻を触れなくし、手からの接触感染を防げる
2)患者の咳とともに排泄される様々なウイルスを吸入する飛沫感染を防げる
3)吸気を加温加湿することで上述の線毛運動を亢進させる

といった予防効果が期待できます。さらに私の立体型マスクによる検討では、睡眠中にもマスクをすることで、風邪やインフルエンザに伴う咽頭痛の持続を半減させる治療効果も期待できます。インフルエンザ(SARSに原因になるコロナウイルスなど冬季に流行するウイルスも同様)が冬季に流行する理由はこのウイルスが25度以上では気道粘膜で増殖できないからです。通常、鼻や咽頭内の温度は22度程度です。冬季の冷たい吸気で気道粘膜が体温から冷やされ始めて感染が成立します。マスクをすることで、体温に暖められ100%に加湿された自分の呼気で自分の呼気を加温加湿することができ、気道粘膜を加温することでウイルスの増殖を防止し、上述の線毛運動機能を賦活させます。マスクを着けると10分以内に顔面から頚部さらに上胸部の表面温度は32度まで上昇します。パスツール研究所では42度の吸入を一日に5回すればインフルエンザを治療できるという温熱療法の有効性を報告していますが、吸入器を持ち運ぶことは難しく現実的ではありません。また経験的にサウナに入ったり、寝室を暖房や加湿器で加温加湿する民間療法もしられていますが、マスクで吸気さえ加温加湿できれば、体力を消耗させるサウナでの身体の加温やかびの室内汚染を助長する室内の加温加湿をする必要はありません。特に唾液分泌が低下する就寝中には咽頭にウイルスが感染しやすく、就寝中にマスクをすることはインフルエンザ感染を防ぎます。また鼻がつまっているときには、口呼吸をするため、のどの乾燥はひどくなり、睡眠マスクの治療効果はインフルエンザ以外の風邪にも有効です。また上述の薬物治療による危険や弊害もありません。インフルエンザや風邪に対する膨大な必ずしも必要のない抗生物質の投与はPRSP、BRNAR、MRSAなどの耐性化した気道感染症起炎菌の最大の原因と考えられています。この耐性化を防ぐことは、わが国の社会全体の問題です。たとえ、数%で重症化するリスクを伴ってもイギリスやオランダのように、マスクなど薬を使わない方法で予防と治療を行うことへの社会の合意が必要です。また、マスクの治療効果は、現実には難しいインフルエンザ以外の原因ウイルスや細菌の鑑別の必要がなく、いずれのウイルスや細菌にも有効です。

 


 
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